虎造節 ~第五回名演会~「次郎長生誕200年記念大会」

~第五回名演会~「次郎長生誕200年記念大会」

(愛媛新聞 令和3年5月30日 8頁)

 令和3年5月29日(土)、愛媛県松山市の松山市民会館で、「第五回虎造節・名演会」を開催しました。今回の名演会は、令和2年が次郎長生誕200年にあたることから、次郎長の生涯を浪曲にした新作発表と、虎造が得意とした次郎長伝の演目で構成しました。出演者は、虎造節全国大会の優勝者と準優勝者です。
 第一部は、八木健創立名誉会長が、自ら新作浪曲を書き下ろした「次郎長一代記」を披露しました。続いて、米田順哉が「石松の金毘羅代参」を口演。若さと迫力、啖呵の切れ味の良さで会場を魅了しました。そして、広沢虎仁が「石松と身請山鎌太郎」を熱演。石松と鎌太郎のやりとりを生き生きと演じました。
 第二部は、虎造節保存会の重鎮、末光三郎の登場です。石松が斬られてしまう「石松の最期」を立て板に水のごとく熱演しました。そして、虎造節保存会会長の石丸武三が「追分宿の仇討・前篇」で、宿敵の都鳥一家の策略を次郎長に知らせる三五郎の活躍を見事に口演。特に登場人物の女性の演技では客席を湧かせました。トリは、広沢虎仁の「追分宿の仇討・後篇」。次郎長一家が都鳥一家を成敗し、石松の仇討を果たして拍手喝采となりました。
 ご観覧の皆様からは、「生の口演を初めて観ました。浪曲面白いですね」「曲師の間合い、技術に感心しました」「初めて浪曲を聞きましたが場面が目に浮かんできました」「大変良かった!泣きそうでした。感動しました」「次郎長伝を系統立てて聞いて、改めて興味が深まりました」など、多くのご感想をいただきました。

【第一部】

八木 健(虎造節保存会創立名誉会長) 「次郎長一代記」(新作)

次郎長の出生から亡くなるまでの生涯を口演します

八木 米田順哉(第九回全国大会優勝)「石松の金毘羅代参

次郎長の代わりに石松が刀を納めに金毘羅様へ参ります

広沢虎仁(第二回全国大会優勝)「石松と身請山鎌太郎」

金毘羅様の帰りにどこに行っても評判のいい身請山鎌太郎を訪ねます

【第二部】

末光三郎(第九回全国大会準優勝) 「石松の最期」

金毘羅様鎌太郎から預かった次郎長に渡すはずの大金をとられ斬られてしまいます

広沢虎丸(第八回全国大会優勝)  「追分宿の仇討・前篇」

三五郎は都鳥一家が次郎長一家を襲おうとしている事を宿屋で耳にします

広沢虎仁(第二回全国大会優勝)  「追分宿の仇討・後篇」

都鳥一家を成敗し石松の仇を討たんと次郎長一家が立ち上がります

【曲師】 伊丹 明(日本浪曲協会)  【音響】 東山隆司 【撮影】 長井知則

*第五回名演会は昨年に開催予定でしたが、新型コロナ感染拡大の影響で実施不可能となり、
今回は、観客数を五分の一に制限しての開催となりました。